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内耳窓と呼ばれる膜が破れる病気です。
突発性難聴と類似の症候を示す病気に外リンパ瘻があります。外リンパ瘻は内耳窓と呼ばれる膜が破れ、外リンパ液が中耳に漏れだすことにより発症し、突発性難聴を引き起こす原因の一つにも推定されています。
実際のところは未解明で、外リンパ瘻は突発性難聴に随伴する症状ではないかとの説もあります。
ここでは外リンパ瘻の診断基準にどのようなきっかで内耳膜が破れるのか?原因とその治療法について知りましょう。
厚生省班研究による外リンパ瘻の診断基準
確実例
手術(鼓室開放術)、内視鏡などにより前庭窓・蝸牛窓にいずれか、または 両者より外リンパ液、あるいは髄亦の漏出を確認できたもの、または瘻孔の確認できたもの。
疑い例
髄液圧、鼓室圧の急激な変動を起すような誘因の後に耳閉塞、難聴、耳鳴り、 めまい、平衡障害などが生じた(注1~8)。
どのような原因で内耳膜が破れ外リンパ液が漏れるのでしょうか?
外リンパ液が漏れる原因には 交通事故・鼻を強くかむ・飛行機やトンネルなど気圧の急激な変化 ・水に潜る・くしゃみを我慢するなどです。
これらの原因により内耳窓が破れると考えられています。
これは、中耳もしくは脳の内圧に変化が生じて(正円窓・卵円窓)の膜が破れやすくなることが事が最も有力であると考えられています。
患者さんはきっけとなる原因や出来事を覚えている場合もありますが、外リンパ瘻を起す原因に全く自覚がない場合もあります。
そのような事情からも突発性難聴と同様にストレスや疲労の蓄積も一因ではないかと考えられたりもしています。
試験的鼓室開放手術による治療
外リンパ瘻の診断はMRIやCTなどでは困難であるために、試験的鼓室開放手術を行います。
これは、試験的に手術を して、顕微鏡でリンパ液の漏れがないかを確認する方法です。
もし、内耳膜が破れていることが確認できれば患者さんの側頭筋筋膜を利用して破れて孔が空いている膜を閉鎖する手術を行います。
現在では試験的な手術をしなくとも洗浄液を用いる検査方法でリンパ液の漏れを確認することが出来る方法も開発されていますので、専門の医療機関にお尋ね下さい。
保存療法では薬物と安静です。
早期の場合は安静による治療で、ステロイド、ビタミン薬、神経代謝賦活薬、末梢血管拡張薬などの内服
もしくは点滴を行うのが一般的です。
また、入院による治療が望ましいと考えられます。
保存療法が行われるのは、何らかの原因で手術不適用な場合となります。
投薬治療を継続中の間は、寝るときに頭の位置を高くして、きばったり、かがんだり、鼻をかんだりなど頭蓋内圧を上昇させる行為を 控える必要があります。
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